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おすすめのアート小説!〜たゆたえども沈まず〜

今回も原田マハさんのおすすめの本を紹介したいと思います!

紹介するのは「たゆたえども沈まず」という作品です。こちらの作品はゴッホ兄弟と日本人画商の林忠正とその助手の重吉の物語です。(重吉は架空の人物)

作品の感想とゴッホ兄弟と林忠正、ゴッホの作品を紹介していきたいと思います。

ゴッホ兄弟

ゴッホは日本でも有名な画家ですね!

この本は兄弟で登場するのですが、兄のフィンセント・ファン・ゴッホと弟のテオドルス・ファン・ゴッホ(テオ)が登場します。お兄さんが世界的な名画を生み出した画家であり、その画業に専念できたのは弟のテオの支援がありました。

↑「ひまわり」 世界に7枚あります。日本ではSOMPO美術館に所蔵されています。

ゴッホ(フィンセント)は気難しいで性格であり、弟のテオと何度もぶつかります。作品は世界的に有名ですが、生涯で評価されることはなくフィンセントの死後に世界的に評価されます。

物語は切ない終わり方なのですが、まるで傍にゴッホがいるかのような感覚になりました。

↑「星月夜」(ニューヨーク近代美術館所蔵) ゴッホの名画の中で一番好きです。

また、ゴッホは日本の浮世絵に影響を受けており作品にも表れています。

(引用先 ウィキぺディア)

こちらの作品は「タンギー爺さん」という作品。モデルのタンギー爺さんは画材屋を営んでおり、彼の店には多くの画家が出入りしていたそうです。

タンギー爺さんの背景には富士山や着物を着た女性が描かれています。この絵は教科書でみたことがありましたが、この小説を読んでゴッホが日本の浮世絵に強く影響を受けていたのだと初めて知りました。

↑「夜のカフェテラス」こちらも好きな作品です。貧しいゴッホはカフェとは無縁で切なさを感じました。

林忠正

この物語で欠かせない登場人物である林忠正。明治時代に活躍した日本人画商です。

パリに本拠地を置き、日本の美術品を売り捌いた人物です。

物語ではゴッホ兄弟と交流していますが、実際のところはわかっていません。ただ、ゴッホは浮世絵など、日本美術に感銘を受けた画家のため、接点はあったかもしれません。

↑「花魁」ゴッホ作

物語にも登場する「パリ・イリュストレ」誌5月号は日本特集号で、表紙には渓斎英泉作の浮世絵「雲龍打掛の花魁」が使用されました。これを手掛けたのが林忠正であるそうです。そして、この表紙をモチーフにした「花魁」をゴッホが描いたことが知られています。

林忠正がいなければ、ゴッホや他の画家に日本の美術を広めることはなかったのだろうと思いました。

実際に林忠正とゴッホが交流していたらいいと願わずにはいられませんでした!